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春香と千早

 
「ねーねー千早ちゃん、知ってる?
今日はエープリルフールって言ってね、
好きなだけ嘘をついてもいい日なんだよ?」

「はぁ……」

       とりあえずハッピーエイプリルフール。

 
ある休日の昼下がり
レッスンまでの空き時間を、社長室のソファーに腰をかけながらゆっくり食いつぶしていた最中のことだった。
向かい側に座っていた春香が、ふと気づいたようにこう告げて来たのだ。

「エープリルフール、ね。」

やや緩慢な速度で返答を打ち、私はカレンダーを見た。……ああ、そうか。今日は4月1日か。
意識をそこに飛ばしていると、視界の端に白い手のひらが入ってきた。

「じゃあ千早ちゃんから、どうぞー」

当然のことのように春香が言う。
壁にかけられたカレンダーから視線をそちらにやると、トーク番組の司会者がするようにさっ、と春香が手を伸ばしている。どうやら私の発言を促しているようだ。
ある程度予想していたとは言え、ずいぶん藪から棒な話題の振り方だった。

「…………」

私は思わず胡乱な目つきになる。返す言葉の口ぶりが、まるで子供を諭すようになってしまったのは決して私のせいではないだろう。

「どうぞって……いい? 春香。
 エープリルフールだからと言って、幾らでも嘘をついてもいい訳ではないわ。
 それに私は、嘘があまり好きではな……」

締めくくりの言葉は、

「あ、千早ちゃん、それじゃあ嘘が好きってことになるよ?」

目にしなを作ってシチャ猫のように笑う春香の声にかき消されてしまった。

「っ、春香、それとこれとはまた話が別で……っ」

ほらほら早く訂正してぇ、と追撃が来る。
出てくる言葉は次から次へと彼女に逆手に取られ、弁解は泥沼化していく。ああ、これは彼女の十八番のはずなのに!


「嘘でいいなら私も言えるよ。今日のレッスンのノルマは30回だー、とかさー」


明朗に笑う春香の顔と声を聞いた瞬間、私の心のどこかがピキリと音を立ててひび割れた。堪忍袋の緒、というのだろうか。もしそうならば安いものだ。

息を吸って、吐いて。

私はぎゅっと目を瞑る。

「解った、嘘を、つけばいいんでしょう! ならっ――」

怒鳴るような口調で言ってしまったことを後悔するよりも早く、私の口からは言葉が飛び出ていた。

「春香なんか、春香なんか……」

ああ、例え嘘でも彼女にこんな言葉を投げつけるなんて。
そう思った途端に、胸はひりりと痛んだ。



「大好きよ!!」



数十秒の沈黙。
光に耐えて目を開いた先に居たのは、

「え……その……ありが、とう?」

顔を真っ赤にしながら謝辞を述べる天海春香だった。

「ぁ……どういたしまして……?」

……って。


「――っー! は、春香、ありがとうって何!?」
「いや、解ってるんだけどね!? これは、そのっ!!」
「何で顔が赤いの!?」
「これは、その……それを言うなら千早ちゃんだって赤いじゃん!!」
「これは春香のがうつっただけで――!」


       とりあえずハッピーエイプリルフール。


蛇足の話

「……仲良き事は美しいことかな、だな」
「見てるこっちが恥ずかしいですよ。って言うか、私たちは空気扱いですかあのバカップル共」
「……むむぅ」
「……プロデューサー殿、今日のダンスレッスン、あの二人徹底的にしごいてくれてかまいませんからね」
「……むむぅ」

パーフェクトコミュニケーション&パーフェクトレッスン!

        了


ほこほこしたちははる が 大好きだ。
どっちにしろそれ墓穴ですよね千早さんって話。
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プロフィール

ひゃくまるP

Author:ひゃくまるP
アイマスにはまりすぎて耳汁とか色々出てる人のブログです。
基本的にアイマスの小説とか書いてうはうはしてます。
あとはニコマスの紹介とか。 夢に春香さんが出てきます。
メッセやメールは→ hyakumaru0313あっとまーくhotmail.co.jp

願わくば、全てのプロデューサーさんと握手できますよう。

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